はんぞーのブログ

旧・音楽とはすばらしいものだ。

SBK 10th Anniversary『EPISODES』@渋谷AX

昨夜は渋谷AXにSBKのライブを見に行ってきた。


メジャーデビュー10周年、結成15周年のSBKだが、04年〜08年9月まで約4年間活動を休止していたり、元々コンスタントに活動するバンドではなかったので、今回「SBK10年記念ライブ」と言われても最初は正直ピンと来なかった。ただ、久々に彼らのワンマンを見ることができるということで発表直後からかなり楽しみにしていた。なにせワンマン参戦は03年12月のリキッドルーム以来。ちなみにその時のリキッドルームは恵比寿じゃなくまだ新宿。「新宿リキッドルーム」という響き自体が既に懐かしい。。
SBKを初めて知ったのは10年ちょっと前のDRAGON ASH主催の「TMC」というイベントなのだが、初めて見た時からそのハイセンスな音と、HIGH&LOWの2MCのキレ味に完全にヤられた。DRAGON ASHPENPALSなどのTMCアーティストを共に、まだ二十歳に成り立ての自分にライブの楽しさを教えてくれたバンドの一つだった。リリースされる度にアルバムを買って、ワンマンにも何回か行って、20代前半の自分にとってかなり大きい存在のバンドだった。それだけに03年末の活動休止のニュースはショックだったし、その前後の音楽性の違いなどから「活動休止」とは言うものの事実上の解散だと勝手に思っていたので、復活を知ったときは正直かなり嬉しかった。そして復帰後の音源のクオリティも相変わらず高く、昨年のRIJFで久々に彼らのライブを見た時はかなり興奮したのを覚えているし、同時に次はワンマンが見たい!との思いを強くした。
そして今回の10周年記念のワンマンを迎えた。この記念ライブに花を添えるべく、ゲストとして盟友・DRAGON ASHが出演する。これはTMC時代からのファンなら垂涎モノの組み合わせだ。思えば渋谷AXの「こけら落し」ライブは、00年12月の「DRAGON ASHSBK麻波25」の3バンドによるイベントだった。ライブタイトルも「EPISODES」ということで、この10年のうちに2バンドが共作で6曲作り上げた「EPISODE」シリーズを多く披露してくれるのでは、という期待にも胸が膨らませながらAXに足を運んだ。
会場の年齢層は明らかに30代前後が多く、10代はほとんどいなかったように見える。つまりは自分と同じく、10代後半〜20代の青春時代をこの2バンドと共に過ごした人が多いんだろうなと勝手に思う。この日のライブ記念Tシャツ*1を購入し、整理番号が20番台と神番だったので早めに入場。中段バー最前あたりを陣取る。
開演は19時なのだが18時半からニューヨークから呼ばれたDJらしき外人さんのアクトがあった。シゲオさんが呼んだのだろうか。3〜4曲やったが、最後にSUPERCARの「STROBOLIGHTS」の歌詞を歌う曲があった。外人さんが日本語の、それもSUPERCARの曲の歌詞をつぶやいているのが面白かった。ちなみに曲はリミックスでもなんでもなくまったく関係のないものだった。


19時を少し回った頃、「前座」のDRAGON ASHが登場。
SEをはじめ序盤の選曲は先日のROCKS TOKYOの時と同じもの。
新曲「AMBITIOUS」もCDで聴くより数倍カッコよい。
特に終盤でのサクちゃんのドラミングがすごい。
「Episode」シリーズの前にまずはSBKの「BACK TO THE BASIC」を演奏。
ただ歌詞はサビの「BACK TO THE BASIC」というフレーズ以外は、自分たちの曲「Amploud」の歌詞を歌っていいた。さらに途中で一度だけSHIGEOも登場して「BACK TO THE BASIC!!!!」とハイトーンボイスを響かせて会場を盛り上げた。
そのまま待望の「Episode」シリーズに突入!
SHIGEOとSHUNも登場し「4」と「6」を披露。
「4」はケンジくんもお気に入りと公言するだけあって造りがすごく良く気持ちいい曲だ。
ラストは定番の「Fantasista」「運命共同体」の2曲で締め。
やはりDAの盛り上がりはすごい。
個人的にも最近のDAのライブは屋外のフェスでしか見てなかったので、久々にライブハウスで見る彼らの熱量の高さはハンパなく、ケンジくんの目力の鋭さは以前と変わらないものだった。MCでは「どうも〜前座のドラゴンアッシュと申しますぅ〜よろすくおねがいしますぅ〜」となぜか訛り口調になるというお茶目な一面を見せ、演奏の激しさとのギャップで楽しませてくれた。
ケンジくんもこの日はSBKとの共演ということで、いつも以上に楽しそうなのが伝わってきた。
馬場さんはこちらもROCKS TOKYO同様にライトセーバーを操るなどしておられた。*2
もうその風貌を含め、見るたびに人間じゃなくなっていってるような気さえする。
あれはもはや神の領域だ。

1.FREEDOM
2.La bamba
3.AMBITIOUS
4.BACK TO THE BASIC (メロ歌詞:Amploud)
5.Episode 4 feat.SHUN,SHIGEO
6.Episode 6 feat.SHUN,SHIGEO
7.Fantasista
8.運命共同体


そして続いてはSBKのライブアクト。
自分では「前座」などと言っていたが、すでに会場はDAだけで完全に盛り上がっている。
この次に出てくるバンドが並のレベルならまず確実に喰われてしまう。そんな空気。
だがSBKはDAに負けない、いやDA以上のステージングを見せてくれた。
まずは名盤「KILLING FIELD」と同様「Metaphor」から荘厳に始まる。
この曲はめちゃくちゃ好きな曲だ。
まさに1曲目が相応しい曲。
というより1曲目以外に配置できない曲だと思う。
01年にAXでワンマンをやった時もこの「Metaphor」始まりだったのを思い出した。
SHIGEOのハイトーンボイスの切れ味の鋭さ。
それに絡みつくSHUNのローボイス。
MASHくんのベースとSHUYAのスクラッチ
それに復帰後常にサポートをしているサクちゃんの豪快且つ繊細なドラミング。
ここからSBKのあんな曲やこんな曲が聴けるんだ、と思うとワクワク感が止まらなかった。
2曲目も「Another」と完全に「KILLING FIELD」と同じ曲順の流れとかたまらない。
その後も「RED FLASH」の実質1曲目である「Stone Age」でクールにアツくなり、メンバーが扇子を乱舞しジュリアナを彷彿とさせるアゲアゲ曲「revibubble」で会場がヒートアップし、怪作「Everything Is My Fault」からも「Devastated」を披露*3 するなど、どっぷりとSBKワールドにハマっていった。。
そしてここからはSBKの「EPISODE」タイム。「懐かしい曲には懐かしい人」ということで、フィーチャーされているkjの登場は当然として、その他にまだもう一人いるという流れになり、、、これはまさか、、という空気の中「スケボーキング永久欠番ギタリスト!!」と呼び出されHAKUCHOさん降臨!!!!まさかの登場にオレを含めた会場からは怒号の声援。そしてそのまま「EPISODE 1」へ流れ込む。HAKUCHOさんのその独特な衣装も、高い位置でギターを構える姿も、跳ね回りながら軽快にギターをプレイする姿も当時と変わらない。SBKを抜けて以来、その姿を知る機会はなかったが、一曲だけとは言え今回こうして雄志を見れてたことにすごく感動した。
しかし「EPISODE 1」は10年過ぎてもカッコイイ曲だ。痺れる。次の「Episode 3」もそうだけど、マイクリレーもスクラッチもビートもリズムも何もかもが古臭くない。ってかこんなにハイトーンボイスを連発するSHIGEOさんを久々に見てるだけでも高まる。
終盤は代表曲「TOKIO LV」から。テンポも原曲より速く否が応でも盛り上がる。これは盛り上がるしかないでしょ!自然に手も挙がり体も動いた。さらに続いては個人的神曲でもある「Figure it out」!!!いやぁ、こんなセンスのある曲を最近は聴いたことないよ!もうとにかく無心で踊り倒す。さらに「YOU ARE GOD」を投下とシングル曲のコンボは止まらない。オーマイガッ!もう快楽悦楽極楽至極。
そして最後はしっとりと「Be my friend forever」。この曲のメロディは美しすぎる。
これで本編終了。


アンコール明けはクールダウンの意味も込めて「Calm down dear」から。終盤に進むにつれサクちゃんのドラムが激しくなっていく展開にじわじわと胸が熱くなっていった。
「もうひと盛り上がりしたいですよね!?」という煽りでkjが再び呼び出され、「Episode Ⅴ」。これはもう世界照準のダンスロック。脳天から突き刺さる感覚だった。「Episode Ⅴ」が終わりkjがステージを去る際にメンバーと抱き合うのだが、kj×SHIGEOというイケメン同士の抱擁は男のオレでも美しく思ってしまった。


kjが去りSHUNのMCへ移る。
そしてここでついに今後のSBKの動向が発表された。。
SHUNの口から発せられた結果は、、、「解散」というものだった。。
これはネットを見てて拾ったものだが、SHUNの言葉は以下のような感じであった。

「うまく言えるか分からないんですが……結論としては、SBKは今日をもって解散します。無期限の活動休止、という言い方も出来たかもしれませんが、SBKはついこの前、復活したばかりです。ほんとにこの直前まで、メンバーで話し合っていたんですが、未だにドラマーも不在でメンバーが足りないまま、新しい、SBKらしい音楽を作っていけるのかとか、そんな理由からこういう決断をしました。俺たちはみんな、このバンドを愛しているし、決して後ろ向きな解散じゃないんです。これからは、メンバー個々の活動を見守って頂いて、もしまた、SBKをやる、ということになったら、温かく迎えてください。そういうバンドなんです、俺たちは。皆さんの大好きな音楽、そのひとつにSBKがいたということを、覚えておいてください。本当に、本当に、ありがとうございました」

この告知は晴天の霹靂のようなものではない。事前にHPで「この日がラストライブになるかも知れない」などの告知があるなどの解散フラグを立てていた。
本編のMCでもSHIGEOが「普段あまり『ありがとう』と言わないんだけど今日は素直に『ありがとう』と言える」「僕はお金には買えないものプライスレスなものに価値があると思ってる。みんなは人生の一番熱い時期をこのバンドに費やしてくれた。それは絶対にお金では買えない。みんなのおかげでここまでやってこれました。ありがとう。」などと話していた。
告知直後は比較的平静だったし、不思議と涙を流すような大きい悲しみには襲われなかった。それは今日ここまでのライブが最高のセトリと最高のパフォーマンスだったからだと思う。たとえ以前と比べ人気の低下が叫ばれたとしても、ライブを数多くこなすライブバンドではないとしても、与えられた場ではキッチリと会場を盛り上げる。それはまさにプロフェッショナルな内容のライブであり、SBKの実力を否が応でも見せ付けてくれた。なのでこの時は充実感で満ち溢れていた。「解散したらやっぱ今後はDRAGON ASHのライブで「EPISODE」シリーズが披露されることはないのかなあ」程度の残念度ぐらいでしかなかった。
ただ、この後に披露された「Child's Replay」で涙を流すSHIGEOさん、SHUNさん、MASHくん、SHUYAさん、サクちゃんの姿を見てるとやはり切ない気持ちが強くなっていった。曲の間はボーっとステージを眺め、サビでは手を左右に振っていた。そしてラストの曲「Sabbth」でもそのままステージを凝視するかのような状態だった。すべての歌い終え、SBKは幕を下ろした。青春の1ページを飾り続けてくれたバンドの最期はやはり寂しいものだった。。
メンバーが去った後は、モニターにメッセージがタイプ調に流れ映し出されていく。
「Thank you」
「See you next life…」
途中ではMACやHAKUCHOさんを含めたSBKメンバーの紹介スライドも映し出された。
最後は画面が爆発し「You are dismissed!」というメッセージで締められた。

SBKのスタイルからして突然にサラッと復活しても全然おかしくない。今はむしろそれを望んでる。こんなすばらしい曲がたくさんあって、すばらしいライブが出来る人たちを見ることができなくなるのは残念以外の何ものでもないから。。また再びSBKの曲を生で聴けることを、ライブが見れることを、今は心の端っこでそっと願っておく。
「EPISODE 1」の中にある
今日できることは明日すんな 明日もし死んだらどうすんだ
という歌詞が今日ばかりは胸に染みる。
うん、まさにその通りなんだよな。今を生きなくてはいけないんだよな。
当たり前で分かっちゃいることなんだけど、こういう機会に改めて思い知らされた。


あと余談だが「渋谷AXで10周年記念ライブを開催中、アンコールで解散を宣言した」というのはオレ的にはデジャヴかと思った。だって今年2月19日にAXで行われたメロン記念日の10周年記念ライブで全く同じ経験をしたばかりなんだから。。しかも会場内の見ていた位置もほぼ同じ。。ライブ前になんとなくイヤな予感がしていたのも同じ。告知直後の「来るべきときが来たか」という思いも同じ。なんかここまで来ると奇遇という言葉を通り越して気持ち悪さすら感じた。

1.Metaphor
2.Another
3.Stone Age
4.revibubble
5.Devastated
6.EPISODE 1
7.Episode 3
8.TOKIO LV
9.Figure it out
10.YOU ARE GOD
11.Be my friend forever
アンコール
12.Intro (Returns)
13.Calm down dear
14.Episode Ⅴ featuring Kj
15.Child's Replay
16.Sabbath

*1:めっちゃセンスいいのに2500円と超良心的価格

*2:ライトセーバーを操るベーシスト」ということでモーサムのタケイさんと比較してしまうがw

*3:イントロでMASHくんがベースを銃のように構えたりとか小ネタをかましてくるあたりも面白かったw