はんぞーのブログ

旧・音楽とはすばらしいものだ。

なち卒コンのこと

これまでヲタ活動を結構やってるけど、その中でも現時点で一番感動した公演のことを。
2004年1月25日の安倍なつみ卒業コンサートのことを別枠で残しておく。
まだ当時ははてなでブログ書いたりしておらず、前身の小さいブログに残していたものを転載。



「感動的な出来事となりました」


2004・01・25。
2002・09・23から1年と4ヶ月。
あの時以来の重要な意味を持つライブの日。
数え切れないくらいのターニングポイントを通過してきた娘。
その歴史の中でも、そしてこれからの未来においても、この日は限りなく大きな意味を持つ。
極めて大きなピリオドが打たれるわけだから。

そして昼・夜と参戦したわけだが…
この日のライブを一言で言うと
「想像を超えていた…」
これだと思う。
それはあらゆる意味において。
良い意味でも悪い意味でも。
一応これまでに3人の卒業ライブを生で見てるわけだから、ある程度どんな磁場か、ってのは分かっているつもりだった。
どのくらい普段ライブとは違うかってのも想像できていた。
でも自分のそれらの類の想像を超えていたんだよ。
ここまでいろいろな感情を抱いたライブは初めてだと言える。

当日は昼公演が始まる2時間前に会場に着いたが、すでに人の群れは道路に溢れ出していた。
到着した時点で、卒業コンの独特の雰囲気が会場外に既にあった。
そして「紺野風邪で欠場」の張り紙…
欠場者がいる卒コンなんてもちろん始めてだ。
最後なのに15人揃わないってのは残念だったけど、もうこの時点で人知を超えたライブになるのかな、とも思えた。
(紺ちゃんには悪いけど)
そしてこの日のために日本全国津々浦々から駆けつけた仲間達と顔合わせして、昼公演の為に会場に入った。
そこで見たのは正月コンには無かった花道付きの特別ステージ。
あのフットワークの重いことで有名な事務所が、ワンツアーの中で、そして一つの会場のためにここまで装置を変えてくるとは…
改めて「なっち卒業」と言う意味を重く捉えた瞬間だった。

そして昼開演。
「異変」はもう昼から起こっていたんだ。
おとめ組」の後に出てきた「さくら組」。
当然「なっちがいるさくら組」も最後なんだから、ある程度の声援は予想していた。
でもその想像を超えていた…
高橋→加護→矢口と歌い回していき、なっちのパートになった瞬間の事。
会場を揺るがす「な〜っち!コール」
この時の揺れ方がハンパなかった。
言葉にするなら「激震」
確実にホール内は揺れてた。
「昼でこれかよ!!!!」

ただそれ以外は正月に見たままの流れで進行していった。
ごっちんは横アリを完全に掌握してた。
「抱いてよ〜」なんて巨大ダンスホールと化してたな。
正月イマイチだった「ああ!」も見違えていた。
この大舞台で安定した歌を披露していたあの3人は末恐ろしい…
紺ちゃん欠場のカン紺藤も、欠場を感じさせないチームワークを見せていた。
あややももう完全復調!
「ラスナイ」もビシッと決めてくれて、もう心配はいらないな♪一安心
相変わらず体操コーナーはどうでもいいと思ったけどね…
それでもごっちんあややなどは花道を使用したせいで、より面白いステージになってた。
ZYXなんて花道のステージでしか歌わなかったしね。
昼の席はアリーナ中盤だったんだけど、花道を使ってくれるとすんごい近くまで来てくれる感じがするんだよね。
花道は正解だったと思う。

そして娘。の出番。
とここで「あれ?なっちのソロは?」と気付いた。
セットリストを変えてきてたのだった。
そんなことを思いながらも、「愛あらば」「シャボン→ピース」「ウィアラ」と歌い本編終了。
すかさず怒涛の「なっちコール」
会場が一つになっていく…
そこに現れたのはなっちじゃなくてMC役のまことと稲葉…
ありえねぇ…
まあその2人の紹介でなっちが紹介され、花道になっち登場。
そして上からは雪のようなものが降り注ぐ中、「22歳の私」を歌い上げる。
その後残りの13人とセンターステージで合流して「ふるさと」…
昼なのに既にヤバイ…
さすがに泣きはしなかったが、かなり熱いモノは込み上げていた…
「ふるさと」を歌いステージを降りた後は、また稲葉まことが出てきてハロプロメンバーの紹介。
そして「でっかい宇宙に愛がある」で昼公演終了。
席を立ったときから「ヤバイ、ヤバイ」と呟き返した。
「これは夜はマジでヤバイ」
まあこうなるだろうな、ってのは前から思ってたから、「昼はステージに集中して、夜は壊れる」
こういう風に考えていたんだけどね。
昼は比較的全体を見れたから良しとします。

そして、夜公演へ。
会場外はますます人が増えていく。
「夜公演ください」のプラカードを掲げた人もまだいる。
その人の渦の中、会場入り。
センター47列。
花道先端からは20列くらい。
予定開演時間から10分強遅れてのスタートは、想像以上に人入れに手際が良かったのだろう。
そして伝説となるだろう公演がスタートした。
それは昼以上に想像を超えたライブだった…

さくら組
すでに初めのパートで高橋が涙ぐんで歌えてない。
ありえない。
「なっちコール」は昼の何倍もの声量となって会場中に轟く。

「体操&じゃんけんコーナーカット」
いくら「卒業式」があるからと言っても、コーナーカットをするとは思えなかった。
嬉しい誤算だった。
正直この2コーナーを待ち望んでるやつは誰もいないと思う。

そしてここの辺りから自分の想像が凄く身勝手な方に進んでいった。
「この公演はとことんなっち卒業に相応しい流れにしてくれてるんだ!」
「これならアンコール後の『雪景色』の時、MC無しでなっちが登場するかもしれない」
「『ふるさと』等含めアンコールの曲順・演出も大幅に変更されるかもしれない!」
ハロプロコンなんだし、卒業した中澤さんやごっちんを上手く絡ませてくるのかも」
などと言う期待感がどんどん膨らんでいった。
「完全無欠、理想の卒業コン」になるかもしれない!と思い正直震えたもんだ。

でも現実は違った。

「ウィアラ」で本編が終わって怒号のなっちコール。
その中いよいよ「白サイリウム企画」が実行された。
会場一面が白白白…
「スゲエ…」
身震いした。
9・23の「タンポポ祭」、5・5の「保田祭」に続いて体感するこの企画。
何度見ても絶句する光景だよ。ただただキレイなんだもん。
この時涙が思わず出た…一回目の涙。
その雪景色の中、ますます過熱するなっちコール。
「さぁ!なっち出てきてくれ!」
そう思い祈る会場内の思いをあざ笑うように登場したのは、変わらずにまこと・稲葉だった…
その瞬間、自分が期待していた理想のライブの光景はガラガラと崩れ去った…
熱く燃え続いている心の炎に冷水を掛けられた気分だった。

ぐちゃぐちゃした感情の中、紹介されたなっちが昼公演時の中央ステージからではなくセンターステージから登場。
ゆっくりと花道を歩いて中央へ向かってる最中に、ドクドクと熱いモノが再び蘇ってきていた。
そして中央のステージで一言「白い…」って呟いた瞬間にはもう2回目の涙が…
タンポポ祭」の時の飯田さんの名言「タンポポがいっぱいだよ…」を聴いた時と同じ感覚。
ステージに登場して、客席に広がるその風景を見た時にこぼれるその表情と言葉。
かおり、圭ちゃん、そしてなっち、みんな「素」の言葉を吐き出してくれる。表情をしてくれる。
それがなんとも言えない感動を呼ぶ。
室蘭から出てきてから今までの事、感謝の言葉、一言一言自分の言葉で語りかけていくなっちを見続けることしか自分には出来なかった。

そして「22歳の私」を歌い上たあと、卒業式が始まった。
比較的気丈だったれいなとみきてぃ〜以外はみんなボロボロ。
メンバーからの一言と言うのは、毎回名言が生まれるけど、この日も涙腺を緩める発言、出来事が続出した。
小川がなっちに言われた「神様は壁を乗り越えられる人にしか試練を与えない」と言う言葉。
いつも卒コンでは気丈なよっすぃ〜が涙を浮かべた所。
まるで犬のように震えて一人で立つ事も出来ず言葉も伝えられなかった辻。
そしてなっちに抱きしめられた後、スタッフに抱きかかえられてステージを去っていくその姿。
誰がそこまで想像できるよ???

その中でもやっぱり加護の「今まで言わなかったけど…憧れの人でした」
この言葉で一気に感情のダムが壊れた。
圭ちゃんの卒業式の時の「無理だと思うけど…辞めないで欲しい」に続いて、この娘の言葉の力は凄いよ。
そしてやっぱり飯田さん。
「同士」であり娘。最大の表現者である彼女の発言でピークに達した。
「なっち、覚えてる?デビューした時、ここを満杯にできるようになろうねって話したこと。ねぇ見て。いっぱいだよ。横浜アリーナ…」
そして一人一人のメッセージの後の抱擁で、耳元で一人づつ「何か」を伝えていくなっち…
その言葉はマイクを通していない。
れいなや高橋や石川には「次はあなたがエースよ」とか言ったんだろうか。

そして感情の整理を一呼吸つけて、辻抜きでの「ふるさと」を。
その途中、サビの所で星の電飾が会場全体に広がった。
昼はステージのモニター周辺だけだったのに、夜は会場全体へと演出を変えたのだ。
これはメンバーどころか客席も知らない心憎い演出。
スタッフの愛を感じた。
雪景色の客席に満天の星。
そう言えば3年前に美瑛で見た星空も空一面綺麗だったな…なんて思い出していた。
まさになっちのふるさと北海道そのものの風景だったんじゃないだろうか。

正直ここまで感動&涙するライブになるとは思わなかった。
ただここまで、なのだが…


ここから先はホントはあまり書きたくない。
ここから起きるのは「悪い意味での想像以上」なことがほとんどだから…
でも今のスナオな思いを刻むためにも書く。

・感動的な卒業式の後、フツーに無感情で出てくるまこと。(稲葉の言葉には感情はこもっていたが)
ただただありえない…
・フツーにハロプロメンバー紹介。
・それに対して台本通りのことしか言わないこと(言わされてるので仕方ないんだけどさ)
キッズやココナッツだけならともかく、フツーなあややごっちんに対してもこの時は無関心を通り越して嫌悪の感情で見てしまった。(ゴメン)
・そのまま娘。もフツーに登場
さっきの涙はなんだったの?
・特に感動的な絡みも無くお決まりの「でっかい〜」
笑顔で終わりたいのもアリだけど、最終公演だけは違うだろ。と。
これはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの解散公演の事だけど、彼らは最後の最後にデビュー曲であり、ファンがこの曲で終わるだろう、って思っていた「世界の終わり」と言う歌を実際に演奏して「ミッシェルの終わり」にしたんだ。
そのイメージが強かったから、「なっちの(娘。時代の)終わり」には「モーコー」か「愛の種」が相応しいとも思ってた。
でも違った。
裕ちゃん・ごっちん入れての「モーコー」か「愛の種」は?
そのためのハロコン卒業でしょ?
なんて考えてた自分を恥ずかしくも思ってしまった。
そして「ハロコンで卒業公演をやる意味」がまったく分からない不透明なモノになってしまった。

極めつけは「でっかい〜」が終わってメンバーが去っていく時。
最後の最後まで、なっち・飯田さん・裕ちゃん・矢口の4人がステージに残って名残惜しそうに手を振っていたその時。
まことがいきなり出てきて加護と辻は無事です、とアナウンス。
どっちらけ、であった。
この時ばかりは最早呆れた。
2人の無事を伝えたいのは分かるよ。でもタイミングが悪過ぎだ。

そしてSEで流れる「Go Girl
それに対してのなっちコール。
これも全く意味がわからない。
いや、「なっちコール」が分からないって言ってるのでは無い。
「なっちコール」は当然起こるし(ごっちんや圭ちゃんの時だって鳴り止まなかったしね)、無い方が不自然だ。
俺があり得ないと思ったのは「Go Girl」と言う選曲。
せめてここだけでも「モーコー」に出来ねえのかよ…

マジで「ふるさと」で終わってくれた方が何倍も良い余韻に浸れたのに…

そんな事を思いながら、なっちコール渦巻く横浜アリーナの客席に長時間無言で座っていた。
特別公演の良かったシーンを必死で頭に思い起こしながら、なっちコールに浸っていた。

これがこの日の感想。
なんか最後の方は愚痴ってしかいないけど、夜公演に至っては「ふるさと」までは完璧に素晴らしかったんだよ。
ラストのメンバー紹介の時も、裕ちゃんだけ涙でくしゃくしゃになった顔で一言「ありがとう」と言った姿には感動したしね。

ごっちんの時も圭ちゃんの時も放心状態にはなったが、ライブ中には泣かなかった。
でもなっちの時は泣いた。
と言うよりライブでマジ泣きしたのは、去年のミッシェルくらいだしな。

やっぱり卒業公演の磁場はたまらないね。
いいモノを見してもらったよ。
自分はまだまだモーニング娘。を好きでいられる。
世間が「娘。は沈んでいってる」と言おうが、俺は好きでいられる。
世間から見て「沈みかけていってるんだろうなあ」ってのを認識しながらもね。
だって9・23の時からずっと思ってる事なんだけど、「モーニング娘。」と言う名の船の柱にロープで体をくくり付けているからね。俺はもう。
現状、セールス的にもTV的にも確かに沈んでいっているかもしれない。
でも「モーニング娘。は沈んでいっては決していない!!!!」
そう思っている自分は盲目ヲタなのかな。