はんぞーのブログ

旧・音楽とはすばらしいものだ。

黒夢「CORKSCREW A GO GO! FINAL」@日本武道館


無期限活動休止を宣言した99年1月29日から10年後の今日09年1月29日。
黒夢は復活し、そして解散した。


この日のライブチケットは定価10000円。
決して安くない値段だが、発売開始後に即ソールドアウトでプラチナ化した。
今日も九段下の駅を出ると「譲ってください」の紙を持った人が難民のように多数いた。
みんな譲ってもらえないことは承知なのに、そうせずにはいられないんだろう。
開演時間が間近に迫っているのに門の外まで伸びるグッズ列。
黒夢というバンドの人気を改めて思い知った瞬間だった。
武道館の中に入り、2階北西の自分の席に着く。
この日は360°どこからでも見渡せるステージ。
僕の席はステージを右後方から見下ろす席。
ドラムセットが後ろから丸見えのいつもと違う珍しい視界だった。
隣に座ってた30歳の黒夢ファンの男の人と黒夢SADS話で雑談しながら開演を待った。
開演予定は18時だったが、実際にメンバーが登場して始まったのは18時20分くらい。
「FAKE STAR」のイントロが鳴った瞬間は「黒夢のライブに来たんだ。。」と改めて実感。
10年前のツアー「CORKSCREW A GO GO!」のファイナルなので選曲は当然「CORKSCREW」が中心だが、途中途中に「BARTER」「MIND BREAKER」「BAD SPEED PLAY」「C.Y.HEAD」「Suck me!」などの聴きたかった曲が入り込む。
みんなこの日を待ちわびたファンばかりなので掛け合いも完璧。
ただ序盤は清春が歌詞を飛ばす場面が何度か見られた。
「CANDY」の時は明らかに間違えて、清春自ら一旦止めて再度やり直すハプニングも。
10年間のブランクや準備不足なのかと思い、この後の清春のテンションに響くのではと思った。
ただし途中からは立て直し、そんなミスはほとんどなかったように思う。
アルバムと同じく「LAST PLEASURE」で本編が終了。
一回目のアンコールではSADSのカバー。
二回目のアンコールは「S.O.S」「カマキリ」「Sick」の怒涛の3連発。
そして三回目のアンコールはこの日唯一のシングル曲「Like A Angel」。。
10年前も「Like A Angel」だった。。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの最後の曲は「世界の終わり」だった。
SUPERCARの最後の曲は「TRIP SKY」だった。
PENPALSの最後の曲は「All Fun Of Kids」だった。
JUDY AND MARYの最後の曲は「Over Drive」だった。
これまで立ち会った解散ライブ全部に共通する「この曲で終わりなら文句ねぇ」って感覚。
黒夢の最後の曲は「Like A Angel」で文句ない。。
だって歌詞がまさにドンピシャだもんな。。

天使の羽を広げ そびえる夢飛び越えたい
幼き時を浮かべ もがくように泳いでたい
合図を出してくれた君を連れて 飛び越えたい
天使の羽があれば 僕は歌い続けるだろう
次の夢 飛び越えて行く

この曲がこのライブの最後の曲になるって、会場中のほとんどが思ったことだろう。
サビでは会場中が大合唱。
もちろんオレも熱唱。。
最近は曲の歌詞はほとんど覚えてないのに、昔の曲はホント覚えてるから不思議だ。。。
曲の終盤で客電が一気に点いて、いよいよこれが最後だとみんな実感した。
ファンへの挨拶をするメンバー。
最後はステージ上で清春と人時の二人だけが残ってバンザイをした。
この瞬間はさすがにこみ上げるものがあった。。。


「FAKE STAR」で始まり、「Like A Angel」で終わる正味2時間のライブ。
最初で最後の黒夢のライブは文句のつけようがないライブだった。
アンプに足を掛け、前傾姿勢で圧倒的なパフォーマンスをする清春
何をやってもサマになるその立ち振る舞い。
何を着ても何を言っても卑怯すぎるぐらいセクシーでカッコいい。
最近の清春のライブには行ってないからよく分からない。
ただこの日の清春は10年前と変わらない最高なロックスターだった。
そして清春の左後方では、人時が昔と変わらないアクションでリズムを刻んでいる。
ライブ中、清春はしきりに「今を楽しんでください」と言っていた。
黒夢という過去と決別するために行われたライブ。
清春黒夢清春と人時、そこに何があったのかは推し量るしかない。
それでも最後のバンザイでは感極まるものがあった。
もちろんこれからも黒夢として活動してくれたらどれだけ嬉しいことか。
だが今はこのまま解散して思い出とするのもいいかなと思ってる。
そのくらい満足度の高いライブだったからだ。
曲数はもう少しやってくれるかなとも思ったが、完全燃焼感はある。
二度と見ることができないと思っていた黒夢のライブ。
そのHOPEがこうして叶った。
黒夢に関しては一つのピリオドを打つことができたと思ってる。
今後、清春の活動を追い掛けていく可能性はかなり低いと思う。
ただ黒夢、そしてSADSを通して知り合った音楽が心の中で生き続けていくことには変わりない。
90年代に黒夢の音楽を聴いて育った自分にとって、このライブを見ることができて本当によかった。


01. FAKE STAR
02. SPOON&CAFFEINE
03. BARTER
04. MIND BREAKER
05. CAN'T SEE YARD
06. BAD SPEED PLAY
07. CANDY(途中一旦中断)
〜人時 Bass Solo〜
〜Band Instrulmental〜
08. MASTURBATING SMILE
09. FASTER BEAT
10. HELLO,CP ISOLATION
11. YA-YA-YA!
12. ROCK'N'ROLL
13. C.Y.HEAD
14. Suck me!
15. 後遺症-aftereffect-
16. LAST PLEASURE
Encore-1
17. HATE(SADS)
18. See A Pink Thin Cellophane(SADS)
Encore-2
19. S.O.S
20. カマキリ
21. Sick
Encore-3
22. Like A Angel