2006年プロ野球終了。 - はんぞーのブログ

北海道日本ハムファイターズと中日ドラゴンズとの日本シリーズは、日本ハムの4勝1敗で終了しました。
シリーズ前の予想では「中日有利」「中日の4勝2敗」と書いたけど、まったくのハズレですね。
「勢い」ってのは普段は目に見えないんだけど、時として目に見えるものなんですよね。
9月以降の日ハムがまさにその例。
ただその「勢い」がここまでとは思いませんでした。
シリーズまで持続するとは思いませんでした。
素直に脱帽。
特に札幌に移ってからの3試合を見ていたら、中日にその「勢い」を跳ね返す力は無いなと思えました。

このシリーズで引退するSHINJOもまさに「出来過ぎ」のフィナーレ。
常に笑顔で試合に臨み、「野球を楽しむ」ことを「自らが一番楽しむ」ことでチームメートにお手本となって示し続けてきた男が、自分の野球人生の最後は「涙」だったのも印象的。
8回裏の攻撃、ネクストバッターサークルにいるときにすでに目を潤ませていたシーンを見たときなんかは、こちらも見ててグッときた。
そして現役最後の打席はフルスイングでの三球三振。
新庄らしくて最高でした。
ウイニングボールを取った森本との涙の抱擁も感動的。
最後まで「画」になる選手でした。
今年のファイターズの優勝は彼なくしてありえないと思います。
自分が事前に危惧した「若手の大舞台での経験不足」も、新庄が叩き込んだ「普段着野球」を実践したことでまったくマイナスとならなかった。
投手陣は2戦目以降、4試合で4失点と完璧。
八木→武田勝→金村→ダルビッシュの先発はきっちりと試合を作り、岡島・武田久・マイケルという磐石のリリーフ陣で締める。06年の戦い方そのままを実践したまで。
そして打撃陣も森本・田中賢・小笠原・セギノール・稲葉・SHINJO・金子のスタメン陣がシーズン後半→プレーオフの勢いそのままに活躍。
特に森本・田中賢の1・2番コンビと、MVP男・稲葉はあっぱれの活躍。
結果的に打率が低かった選手も「ここぞ」の場面で印象に残る働きを見せた。
まさに「全員野球」で勝利をもぎ取りました。
優勝会見で新庄が「このチームで戦えてよかった」と言っていたが、他球団のファンでもその言葉が理解できるくらい、今年のファイターズの団結力はすごかった。（もちろん北海道の熱狂的なファンの声援込みで）
それと同じく新庄のインタビューで、「背番号１の後継者は？」の問いに「個人的にはひちょり（森本）に付けてほしい」と答えたのも印象的。
実質今年がレギュラー一年目の森本にとって来年はまさに正念場。
昨年大活躍したマリーンズの今江も今年はスランプに苦しんだように、オフの間に他球団も研究し、来年は確実にマークがきつくなる。兄貴分の「ツーさん」という大きな後ろ盾もいなくなり、そのプレッシャーは相当なものでしょう。
それでもその身体能力・センスは非凡なものを持ってると思うし、なにより師匠である新庄より伝授された「ファンへの想い」を自分の力に変えられることができる選手だと思う。
新庄の引退に加え、小笠原の去就がどうなるかわからないなど不安要素はあるが、まだまだ若いチーム。北海道の熱狂的な後押しを受け真の意味での「強いチーム」を目指してほしいと思います。

話は変わるが、短期決戦においてその勝敗が決まった後は、「勝者の歓び」よりもなぜか「敗者の姿」のほうに目が行ってしまいます。（もちろん勝者への賛辞も忘れていないつもりですが）
先日のプレーオフ第2ラウンドにおいても、サヨナラ負けしてシリーズへの切符を逃したホークスの選手の、特に斉藤和巳・松中・的場、この3人の姿は強烈でした。
そして今回のシリーズ、9回表の中日の攻撃時に中日ベンチがテレビに映ったのだが、そこに映る選手たちの表情。
もうすでに負けたを覚悟したような、お通夜のような雰囲気。
そして負けが決まり、相手チームの胴上げを見つめる川上・立浪・谷繁の何とも言えない表情が印象的。悔しさと無念さと歯痒さと、、、いろいろな思いが篭った表情をしてました。
去年の阪神に続き、本来の「強さ」を発揮できないままシリーズが終わったような感じ。
中継ぎ陣も本来の安定感が無かったが、特に打撃陣が深刻でした。
ホント打てなかった。。打てる雰囲気が無かった。。気迫が感じられなかった。。
「荒木・井端の1・2番コンビ」も「福留・ウッズ・森野」のクリーンアップも、正直4・5戦は全く打てる気がしなかった。
そしてなにより併殺の多さ（繋がりの悪さ）が中日らしくなかった。
ともかくドラゴンズファンとしては「不完全燃焼」で終わったシリーズのように感じます。
それでも06年の中日の強さは褒められるべきもの。
オフに選手の離脱も大きくは無さそうだし、07年もセ・リーグのペナントの中心チームであることは間違いないでしょう。
これでもし黒田（広島）が加入したら恐ろしいことになるな。。
あと小笠原（日ハム）は今年のこのタイミングで「FA→ドラゴンズ移籍」というのはやりづらいだろうなあ。。世論的にも、もちろん北海道のファンにとっても。。だから一年待ってみてもいいような気がボクはします。引止め料は破格な額となりそうだが、それだけの選手だもの。球団もそれ相応の評価をしてほしいと思います。