はんぞーのブログ

旧・音楽とはすばらしいものだ。

大人の麦茶第二十杯目公演「シュガースポット」



http://gekipro.com/blog/sugarspot/



東京10公演・大阪3公演
全13公演が無事に終わりました。
僕は東京4公演・大阪3公演の7公演を観劇。*1
同じ脚本・同じ舞台なのだが、終演後に感じる気持ち・胸に残るモノは毎回違った。
とても素晴らしい舞台でした。

徳永千奈美矢島舞美
Berryz工房℃-uteとグループは違うがデビュー以来10年来の親友。
そんな二人とオトムギが絡み合う。
始まる前から期待しかしていなかった。
絶対外さない舞台になると信じて疑わなかった。
見る前から勝手にハードルを上げていた。
実際の舞台はそんなハードルを軽々と越えていった。


舞台が始まる前に塩田さんがツイッターで僕に返事をくれた。
「あなたの予想は裏切って 期待は裏切らない」
まさにその通りだった。


以下、舞台を見てない人にとってはなんのこっちゃなことを書くので、久々に隠します。

今回、千奈美は本当にキラキラしていた。
「のぞみしゃん」と「てるよしゃん」の2役を演じていたが、見事に二人を演じ分けていた。
最初はセリフが棒読みっぽいので固くなってるのかなと思っていたが、、、
実はそれも「のぞみしゃん」を演じていたわけで。
「てるよしゃん」との使い分けをしてるんだ!と知った瞬間、
それまで「棒っぽいなあ」と思っていた自分に自己嫌悪です。
主に演じた「のぞみしゃん」はいつも笑顔でおしとやかだが、ここぞという時は芯の強さを見せる女性。
千奈美ヲタの僕でも「こんな千奈美見たことない・・・」と思うような役だった。
二回目以降はその「笑顔」を観てるだけで目頭が熱くなってきてしまった。
「幻の月とでも名付けておくか」・・・こんななんてことのないセリフが無性に泣けた。
僕がこんな気持ちになったのは、もちろん「のぞみしゃん」が千奈美だったからだろう。
ただ、今回の芝居で、役者として新たな一歩を踏み出せたのは間違いないと思う。


舞美は「らん」で見せた「牙」を今回も感じた。
劇中で幾つもの感情の変化がありながら、その瞬間瞬間をブレずに演じていた。
さらには舞台の合間にワンマンライブを行う鬼のようなスケジュール。
それをケガなく乗り越えて演じきったその体力と精神力と集中力。
ハロプロ一のパワープレイヤーだと改めて思った。
「あ〜みぃちゃん、起きない起きない、おやすみおやすみ、チュッチュッチュ」
ここのエンジェルっぷりはヤバかったね(笑


そして主役の宮原さんからは「魂」を感じた。
今回主役を演じると言うことで、上演前から並々ならぬ決意を感じていたが、
初演から大千秋楽まで「山崎誠亮」という人間(幽霊だけど)を演じきったと思う。
ただただ「素晴らしい・・・」というしかなかった。


この3人(+カリンちゃん)が織り成すクライマックスシーン。
毎回感動の涙が止まらなかった。
普通であれば観劇を重ねるごとに、感動に慣れてしまうもの。
自分の中で涙腺の防波堤が高くなっていくもの。
しかしシュガースポットの感動は、毎回その防波堤を軽々と越えてきた。
千奈美の「せいりょうしゃーん」2連発で、毎回確実に防波堤が崩壊された。


今回の演者は15人。

山崎誠亮(宮原将護)・・・幽霊・琉球畳の職人
玉城希(徳永千奈美)・・・果物屋の看板娘
山崎青葉(矢島舞美)・・・誠亮の孫娘


山崎恵司(中神一保)・・・誠亮の息子
山崎裕奈(肥後あかね)・・・恵司の妻
山崎未映(田辺奈菜美)・・・青葉の妹
鏑木慎之介(中江翼)・・・畳職人見習い


高嶽院(和泉宗兵)・・・山崎家の守護霊
望音(宮本佳林)・・・誠亮の背後霊
夜子(村上東奈)・・・悪霊


平安山勝二(池田稔)・・・果物屋の店長 兼 葬儀屋
カン・ミンジュン(ヒョギ)・・・韓国の若手映画監督
鳥飼八郎(並木秀介)・・・映画プロデューサー
ヨージ(石澤ヨージ)・・・青葉が所属するバンドのギタリスト
天久宗八(天月)・・・青葉が所属するバンドのボーカル

主役がいれば脇役がいるのがお芝居。
でもオトムギは脇役にも個性と見所がある。
スポットライトが当たるとまでは言わないが、サイドストーリーを用意してくれる。
脇役の背景に対しても想像力が掻き立てられる。
オトムギの舞台は毎回その部分が素晴らしいなと思っている。
今回も主役の宮原さんと千奈美舞美以外のキャラクターもビンビンに立っていた。


・山崎恵司(中神一保)・・・誠亮の息子
ダメオヤジを演じさせれば中神さんの本領発揮といったところ。
今回もいいダメっぷりだった(もちろん褒め言葉)
「夜子・・・お前、夜子なのか・・・?」


山崎裕奈(肥後あかね)・・・恵司の妻
ダンナを尻に敷いていたり、基本的にツンケンしてる場面が多く強気な雰囲気が多かった。
しかし節々から家族を信じ愛しているのが伝わってくる。
悪霊から解き放たれ夢から覚めた青葉とのシーンが印象深い。
「青葉!いったいアンタどこまで覚えてるの!どこまで覚えてないの!」


・山崎未映(田辺奈菜美)・・・青葉の妹
劇の中でいいアクセントを醸し出していた物知りみぃちゃん。
三億円少女」以来2年ぶりに見たななみんは、まずその身長の大きさに驚いた。
でも外見は成長しても、中学生になっても、基本的にはあまり変わってなかったのでホッとした(笑)
そのまっすぐな瞳も変わってなかったな。
「みぃ、ミント系苦手なんでぇ、おススメはねぇ、のりたまかけごはんでーす」
「なむなむ」


・鏑木慎之介(中江翼)・・・畳職人見習い
青葉にフラれたり切りつけられたりと散々な役。
ただ山崎家の人間に対して誠実に生きている、それが伝わってくる熱い漢だった。
最初は関西弁がやや聞き取りづらかったが、舞台が進むにつれそんなことは思わなくなった。
「僕は今、僕の影を踏んでいる子に恋をしています」
「人間や!君に全力で恋してる人間や!・・・スルーですか?ご家族の方も?」


・高嶽院(和泉宗兵)・・・山崎家の守護霊
高貴な高嶽院ちゃんは所作の一つ一つが厳か。
そしてシューヘーさんは圧倒的な声量がやはり魅力的。
カリンちゃんをお姫様抱っこする場面ではカリンヲタではない僕も少しドキッとした(笑
「この高嶽院が聞き届けてやろぉ〜」
「出かけたぞ。二丁目のフルーツパーラーとやらへ〜」


・望音(宮本佳林)・・・誠亮の背後霊
誠亮から「おかっぱ」と言われ、藁でシバキあげるS的背後霊。
最後には誠亮の妻の姉であることが判明。
まさかの設定。。その瞬間に涙腺が緩んだのは間違いない。
カリンちゃんの演技はホント好きだ。
大阪初日公演後の生誕サプライズ(ピンクサイリウム祭)での号泣シーンも良かったね。
「畏め!畏め!畏めて聞くが良い」
「カッパ?カッパとはなんじゃ?モネ様と呼べ」
「誠亮。我の妹がそなたを迎えに来ておるぞ 」


・夜子(村上東奈)・・・悪霊
恵司の愛人。とにかく知れば知るほど報われない寂しい役どころ。
劇中ではとにかく感情の起伏が激しいが見事に演じきっていた。
青葉とのシンクロシーンはこの劇最大の激流シーン。
その場面が終わり、上手からトボトボと登場し、青葉をじっと見て、トボトボと去っていく。
その一連の動きに哀愁を感じ得なかった。
あの表現力で23歳とは恐れ入った。あっぱれ。
「生き証人・・・うぅん、死に証人か」
「餅!詰まらせて死んだでしょ!助からなかったでしょ!」
「青葉じゃねーよ!夜子だよ!」


・平安山勝二(池田稔)・・・果物屋の店長 兼 葬儀屋
かわいい女の子のスナップ写真を撮るのが趣味で、プライベートを含めなんでも聞きたがる性格。
一つ間違えばいろいろと危ない感じがするオジサン。
葬祭に果物は付き物だし、確かにこの二つを掛け持ちするのは頭がいいなあと思った(笑)
「話のすり替えかよコノヤロー」
「ここでかわいい笑顔と牙が付いてるよなんて言ったらキザなんだろうなあ」


・カン・ミンジュン(ヒョギ)・・・韓国の若手映画監督
・鳥飼八郎(並木秀介)・・・映画プロデューサー
カメラ雑誌に載っていたのぞみしゃんを追って南の島まで来た二人組。
話の大筋にはそんなに影響ないかも知れないが、誠亮の妻・てるよしゃんが田中絹代の再来だったようなので、のぞみしゃんも映画界から誘いが来たのかね。
なみちょーの本田博太郎キャラは十分に生きてた。
池田さんとの「アウトレイジ」的なバカヤロー応酬は面白かった。
「もう追いつけな〜い」
「牙・・・自分だよ・・・」
「さてはお前、女と付き合ったこと無いな?」
「産毛はいくつになっても生える人には生えるんだよ!」


・ヨージ(石澤ヨージ)・・・青葉が所属するバンドのギタリスト
・天久宗八(天月)・・・青葉が所属するバンドのボーカル
今回、身内で一番ツボだったのが実はヨージさんw
その飄々とした雰囲気に加え、「名言・迷言メーカー」として、出番は少ないながらも強烈な印象を残していった。
「BB」「多摩多摩迷子」「シュガースポット」と、見るたびにどんどん演技がツボってくる。
最初「1417」で見たときは僕の隣でギターを弾いているという人だったのに(笑
転換時に挟まれる宗八との歌もいいアクセントで良かったな。
「青葉ちゃーん、遊びましょー、青葉ちゃーん青葉ちゃーん」
「僕がこれ言っちゃうと微妙な感じになっちゃうんですが・・・」
「僕は青葉さんのお母さん裕奈さんに恋をしています」
「え?スルー?」
「俺!お前の外見とか全く興味ないから!俺!お前の外見とか全く興味ないから!」
「2回言ったかぁ」
「こんなこと言うとおばさんっぽいと思われるんだけどぉ、って前置きしてから言うあなたの言葉が好きです」
「全てが耳に心地良いです」
「愛のない結婚があるんだから、結婚のない愛があってもいいんじゃないでしょうか」
「変態は古びない」
「宗八くん歌おうよ、今だよ、今の今だよ」


あとは劇中歌として元ちとせさんの「幻の月」「ひかる・かいがら」が使われていた。
どちらも効果的な場面で歌われており、こちらも胸に残った。
観劇後に「幻の月」が「ワダツミの木」のシングルのカップリングと知り、すぐに購入した。





ああ・・・
いろいろ書きなぐったけど・・・
今でものぞみしゃんが歌うバナちゃん節が頭から離れません・・・
夜子と青葉のシンクロシーンが頭から離れません・・・



 
神々が出雲に集まって島が留守になる神無月
木も草も花も「幽霊も」ここぞとばかりに恋をするので
眩しくて眩しくて目のやり場がありません
こうなってしまっては仕方ない
私たち人間も恋をしましょう

ラストの「ひかる・かいがら」の前のセリフも良かったなあ・・・




ただ一番忘れられないのは、やはりこのクライマックスシーン*2



ノリ・ 。・リ<誠亮。我の妹がそなたを迎えに来ておるぞ

誠亮<あんたの妹?

ノリ・ 。・リ<腕のいい畳職人が作った畳の上で生き
ノリ・ 。・リ<腕のいい畳職人に看取られて畳の上で死んだ

从*´∇`)<せいりょうしゃ〜ん

誠亮<モネさん・・・あなたはてるよしゃんの双子のお姉さん・・・

ノリ・ 。・リ<いかにも。誠亮。そなたは誠に果報者よのう

从*´∇`)<せいりょうしゃ〜ん 

从*´∇`)<こっちこっち

誠亮<ありがとう・・・姉さん・・・

从・ゥ・从<おじぃ〜!!


今回、このような素敵なお芝居に出会えた僕は本当に果報者だなあと思いました。
これからはシュガースポットを胸に生きていきたい。
それは過去に縛られるというわけではない。
自分の中でずっと生き続けるお話だから。。


(参考)
「バナナのたたき売り」がわかる!
http://tachibanaya.info/bana.html


バナナの叩き売り
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Himawari/4584/banana.htm



アフタートークショーざっくり版

22日夜(徳永・矢島・宮原)

徳永<今まで自分が出た作品はBerryz工房の他のメンバーが必ずいたけど
     今回は私だけなので稽古の雰囲気とかいつもと空気感が違う
     舞美は普段いつもニコニコしてるので演技中の笑ってない顔が新鮮
矢島<作品の中で千奈美に乱暴な言葉を言ったり突き飛ばしてしまって
     千奈美ファンの人スミマセンって感じです
徳永<大丈夫! 千奈美のファンは何とも思ってないから!
矢島<アオバはおじいちゃん大好きっ子だけど私自身がおばあちゃん大好きっ子なので
     アオバの気持ちがよくわかる
宮原<演劇を始めたころ紀伊国屋ホールは憧れの場所だったので舞台に立てて嬉しい
?<メンバーがそろわない時は代役を立てて稽古するので全役出来る和泉さんをはじめ
     みんな必ず誰かの代役ができるから代わりばんこに協力し合ってる
徳永<本当に「オールフォーワン・ワンフォーオール」ですね

*1:23日・25日の1日3回公演の日は行かなかった

*2:セリフは正確ではない